二輪
2012年07月29日
学科教室に教材として20年間展示されていたスズキのGN125を、再び走らせるべくレストアすることになった。
このバイクは日本製でキャストホイール、タンクのカラーリングがブルー/シルバー、サイドのエンブレムが「GN125」なので、おそらくベース車は1990~95の間に生産されたGN125EMだろう。
すでにどのバイクメーカーでも作っていない小型自動二輪の教習車仕様である。
そのため普通のGNと違い、現在はプレミア価格で取引されている。
そう、なんとか走るようにしなければバカ高い中古車を買わされる羽目になるので、修理も必死www
まずは3階の教室から下ろすのに一苦労。5人がかりで階段を無理やり通してなんとか成功。
で、どこから修理するか目星をつけるのだが、このGNはなんかケミカルな香りがしてくる。
おそらく変質したガソリンのにおいだろう。
通常、バイクを長期保存する場合はタンクとキャブレター内のガソリンを抜き、オイルも抜くはずなのだが、この会社の昔の人たちはバイクも車も全部外注で治していたらしいので、そういう常識を知るはずも無い。
ということで、シートを外し、エアクリーナーを緩めてずらして、キャブレターをごっそり取り外して分解。
悪い予感は的中。
キャブレター内は変質したガソリンがペーストというかタール的な感じでべっとり。
気持ち悪いので写真は載せないwww
で、ブレーキクリーナーでは歯が立たないので、ドライバーでタールをおおまかにこそぎ落としてから細かいパーツまで分解し、ガソリンの海に漬け置き。
取り出してからクリーナーや細い針金(荷札用がベスト)を駆使して オーバーホール。
全ての穴が貫通した瞬間大喜びwww
当然、タンク内も異常な液体が残っていたので、すべて抜き取り、ガソリンを入れて振ってきれいにした。
そのまま汚れを溶かして燃やしてしまおう。
紆余曲折あったものの、オイルを補充してタイヤに空気を入れて、バッテリーをつないだらあっさり始動したので拍子抜けしたのは否めない。
負圧バルブの戻りが悪くて回転数の戻りが少し悪いが、まあ走行できるレベルなのでよしとする。
3年ぶりにMT2輪を運転したので怖かったwww
ここからは教習車ならではのお話。
写真を見れば分かるが、二輪の教習車にはフロントとリアにさまざまなインジケータがついている。ヘッドライトの下にあるのがギアポジション(1~4速)、上段にあるのがエンスト・前ブレーキ・後ブレーキ・時速30キロのランプ。
で、肝心の時速30キロ出たことを示すランプがつかない。これが点灯しないと、指示速度や急制動の課題履行条件に関わるので、なんとしても修理が必要。
ちなみに、教習車仕様ではスピードメーターケーブルにおまけが付いてて、これで速度のパルスを出している。
写真中央の黒い箱。中身は永久磁石とセンサーと思しき薄い鉄板が入っていた。
磁石回る→鉄板くっつく→電気流れる→鉄板離れるのループ。アバウトwww
で、この配線とランプの配線がどこへつながっているか探す。
この教習車用の配線は後付なので、非常に入り組んでいてめんどくさかったが、
束のようになっている後付の配線を追っていき、バッテリーの下へ到着。
写真中央にうっすら見える、太いケーブルが刺さった黒い箱があやしい。
この黒い箱を開けて原因がわかった。
左上のリレーが腐っている。リレーを分解したら、内部がさびてボロボロ。
リレーを交換すれば直りそうだが、メーカーの富士通でこのリレーはすでに作っていないし、デッドストックも数千円で入手困難。
幸い富士通のサイトに同等品の回路図があったので、マルツ電波へ行き12V動作で似たような定格のオムロン製リレーを見つけて300円で購入してみた。
またもやマルツ電波GJである。
ただ、足の配置がぜんぜん違うので、無理やりつけてみた。
INとOUT、GNDさえ間違えなければ大丈夫、のはずwww(配線のうち、2本はGND)
中身が見えて今度は安心www
無事に30キロの赤いランプが点灯するようになりました。
ちなみに、電気ドリルを逆転状態にしてスピードメーターケーブルにつなげば、走らなくてもメーターやセンサー
のチェックはできます。